民事信託インタビューvol.1

民事信託制度を利用して、ご両親がご健在な今、不動産などの財産整理を行ったさAKOさん。(仮名 40代 三条市在住)

不動産権利保有者が病気など判断が難しい状態になってしまうことで、家の売買や解体ができずに放置空き家になってしまうという問題があります。事前に所有権を家族に信託をすることは空き家増加の未然防止につながります。

制度を利用されたご経験をインタビューさせていただきました!

AKOさんのご相談を受けられた行政書士の高橋さんにもインタビューにご協力いただきました。

おふたりは「こんな制度もあるんだということを知るきっかけになってくれたら」と仰っていました。

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民事信託という制度を、これまでに聞いたことがありましたか?

AKOさん

いいえ以前より、物件に限らず財産全体の管理や相続について、高橋さんに相談しており、

手段のひとつとして「民事信託」というものがあると聞き、初めて知りました。

どのような経緯で、民事信託を利用することになりましたか?

AKOさん

祖母が高齢になり、将来のことを不安に感じていました。

家族が安心安全に暮らしていくためにはどうすればいいのかを考えた時に、

土地や建物、金銭など全ての財産を整理して道筋を立てておく必要があると思いました。

高橋さんに様々な提案をいただき、相続や任意後見などとも比較し、どのような手段を使うことが最善なのかを何度も家族で話し合い、結果的に民事信託を選びました。

空き家の予防を目的としていたわけではありません。

利用する際に難しいと感じた部分はありますか?

AKOさん

家族からの同意を得る部分が難しく感じました。

反対があったわけではありませんが、専門用語も制度の仕組み自体も分かりにくいため、説明が大変でした。何度も高橋さんに教えていただき、疑問を解消することができました。

また、受益者は誰にするのか、もし誰かがいなくなった場合はどうするかなど、何パターンもシュミレーションしたので、その作業が大変でした。なかなか根気のいる作業でしたが、おかげで納得のいく選択ができたと思います。

家族で集まる時間をつくるというのも、それぞれの事情があるので大変だったと思います。

手続きに必要な書類を揃えることや、税金関係など別の窓口に連絡が必要なところも大変でした。

制度が普及しない原因はなんでしょうか?難しさはどこにありますか?

AKOさん

相談できる専門家が身近にいるかどうかがとても大事だと思います。

制度を理解するところから、手続きに関する内容まで、わからないことばかりでした。

高橋さん

ひとつには、専門家が少ないことだと思います。

家族や財産の問題で困ったときに、こんな制度もあるよと民事信託を紹介できる人が増えていけば普及につながると思います。

利用されてよかった点はありますか?

AKOさん

何より将来的な不安がなくなったところです。

制度を利用する前は、家族を背負い、苦しく感じる部分もありました。

高橋さん

家族の未来の見通しが立ったということだと思います。

今は将来の道筋がはっきりと見えているので不安が解消されたのではないでしょうか。

利用を考えている方にメッセージをお願いします。

AKOさん

今は不安かもしれませんが、一歩を踏み出す勇気をだしてほしい です。

迷っているなら、利用をお勧めします。お金も掛かりますし、手続きも大変ですが、何より将来の不安が解消されます。人に話しにくい内容なので、まずはセミナーや相談会で相談するといいと思います。

民事信託制度はお年寄りだけではなく、若い人にこそ知っていてほしいです。気付いた時には、何もできない状況になっている場合もあります。将来のために、対策できるうちに動き出すことがとても重要です。

今は多くの人が民事信託制度を知らないと思うので、役所の講演会などでも発信して、制度を知っている人が増えていけばいいなあと思います。

民事信託制度を利用するかどうかではなく、

選択肢のひとつとなるように制度を知っている状態でいることが大事です。

ご協力ありがとうございました!

高橋正芳 / 行政書士(縁竹縄/芸人)

相続に関わる手続き代行だけでなく、終活・生前対策までトータルでサポートできる新潟県加茂市の相続専門事務所を運営。お客様に寄り添い、お客様のご希望に耳を傾け、「争族」ではなく円満な「笑顔相続」がモットー。

芸人「縁竹縄(えんたけなわ)」としても相続をテーマに活躍中。

一般社団法人燕三条空き家活用プロジェクトでは、空き家を増やさないための活動を行っています!

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